決まりごとのない、おいしいごはんと、おむすびの祈り。
昨日、佐藤 初女さんがお亡くなりになったことを知りました。
わたしは、佐藤 初女さんの著書『いのちの森の台所』 を読ませてもらったことが、はじめてでした。
「いのちの森の台所」を読んだのは、
食事に関心があり、あれこれ調べたりしていたら、調べ疲れになってしまい、
「食べられるものないじゃん、結局どうすれば、いいんだ!」と
食の迷いが出ていた頃でした。
旦那さんにも、自分にもカラダによいものを食べたいと考えていたものの、
働きながらの一日三食のごはん作りは、時間がなかったり疲れていたり、で半調理品を買ったり、お惣菜を頼ったりしていました。
旦那さんとはふたり暮らしですが、朝と昼は別々で食事することが当たり前で、食事の面からいえばすれ違いの多い生活でした。
あれこれ食事のことを調べていたのもあり、知識として知っていることが邪魔をして、
野菜も無農薬がいいな、とか
旦那さんは、「毎日作らなくていいよ」とは言ってくれてたものの、
加工品で済ませて申し訳ないな、と思ったり、
手料理したいのにできない自分の手際の悪さにも悩んでたなぁ・・・
手にする本のみなさんは、常備食をちゃんと作れているのに、わたしは毎日のこととなると、ずっと続けられませんでした。
そんな自分も情けなかったり。
そんなときに初女さんの本に出会いました。
それは、【決まりごとのない、「食」そのものを大切にすること】を教えてくれました。
なかでも、わたしの心を楽にしてくれたことばは、
「自然食にこだわっている方の中には、こだわりが強くなりすぎてしまう人も多いようです。
「からだにいいから食べなさい」と勧められるのですが、頭でっかちな人がつくった料理っておいしくないんですよ(笑)
せっかくの食材がかわいそうだなぁと思うことがよくあります。」
ということでした。
こだわりすぎてガチガチになりかけていた頭を、解きほぐしてくれたことばでした。
初女さんは、おいしいごはんをつくることを基本としています。
おいしいというと、美食のように思われがちだけど、そうではない。
珍しいものや高価なものをわざわざ取り寄せる必要もない。
目先にあるごくありふれたものでも、地場の、新鮮な旬の食材は本当においしい。
新鮮な食材の持つ味わいをいかすように、こころを離さないで、ひとつひとつ丁寧につくれば、必ずおいしくできます、と強調されていました。
「ともに食すことはともに在ること」ということばも
大好きなことばのひとつです。
食をともにすることはわたしにとっても大切なことだと強く共感したので、
家庭が大事というその軸で仕事を自分で選ぼうって決めた言葉のひとつ。
この本を読んで、母が作ってくれていたおむすびを思い出しました。
わたしの母は、熱々のごはんを一度お椀にとり、冷まし、
それから手のひらに直接お米をのせておにぎりをつくってくれていました。
なのに、わたしは、便利さを優先して、直接サランラップのうえにお米をのせてつくっていました。
手のひらの触れない、おにぎりです。反省。
便利さを優先して失われているものの、ひとつかな、と。
初女さんの本を読むと、一粒一粒のお米が呼吸できていない状態で、とても可哀想なことをしていることに気づきました。
母のおにぎりは、なんともいえないおいしさです。
この世に生をうけている誰もが母のおもいを受けているので、万人に共通することだと思う。
家族にはおいしいごはんを食べさせる、という思いがあれば、
どんな料理でもそれが一番なんだろうな、って思います。
だからもし、自分を責めてるお母さんや自分自身いれば、責めないでほしいです。
そこに、相手や自分を想う気持ちがあれば大丈夫ですー!
あとは、美味しい、美味しい!と、感謝して食べることだと思います。
食って奥が深いです。
自分のさじ加減で料理することが多く、レシピもあくまで参考程度だし、
創作料理が好きなのでたまに失敗作もありますが(笑)、
おいしいごはんをつくれるよう、修行あるのみ!でがんばります~
ごはんを一緒に食べる時間はぐぐぐっと増えたので、
わたしもうれしい。
「いま」を大切にする感覚、って、訓練もして意識していればどんな活動していても感じられることだと思うけど
ごはんをともにする時間も、「いま」がすごく感じられるなぁとしみじみ思います。
佐藤初女さんの動画があったので、よかったら見てみてください。
ご冥福をお祈りいたします。
合掌。
▼▼食の探求や自己啓発に疲れたなぁと思ったら・・・
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